フジテレビで「CM撤退」や「差し替え」が相次ぎ、話題になっています。
中居正広さんのトラブルやフジテレビ社員の関与疑惑をきっかけに、スポンサー企業が次々とCMの撤退を決断しました。
その結果、フジテレビの広告枠はACジャパンのCMが目立つ異例の状況に。
視聴者からも「フジテレビはどうなるのか?」という声が上がっています。
この記事では、フジテレビCMから撤退や差し替えを行ったスポンサー一覧や、その背景にある理由、損失額を詳しく解説します。
なぜスポンサーたちはフジテレビを離れることを決めたのか?
その流れや今後の見通しについても考察しますので、ぜひ最後までお読みください!
フジテレビCM撤退差し止め企業一覧!
2025年1月17日にフジテレビ港浩一社長が記者会見を開きましたが、騒動を鎮めることができませんでした。
今回の騒動を受けて、フジテレビでのCM放映から撤退したスポンサーは次のようになります。
【フジテレビでのCM放映から撤退差し替えしたスポンサー一覧】2025.1.20現在
企業名 | 対応内容など |
---|---|
トヨタ自動車 | CMをACジャパンの広告に差し替え |
日本生命保険 | 複数番組でCM差し替え ・千鳥の鬼レンチャン ・Mr.サンデー 「めざましテレビ」のCMも差し替え予定 |
明治安田生命保険 | CM放映停止 |
アフラック生命保険 | CM放映停止 |
NTT東日本 | CM出稿見合わせ |
第一生命 | CM当面差し止め |
日産自動車 | 「サザエさん」へのCM出稿差し止め |
セブン&アイ・ホールディングス | 1/20の午後からセブンイレブンのCM差し替え |
日本マクドナルド | 1/20からCM放映を止める |
サッポロビール | 1/17にCM差し止め |
花王 | 1/18からCM出稿すべて取りやめ |
JR東日本 | CMをACジャパンの広告に差し替え |
ダイハツ工業 | CMをACジャパンの広告に差し替え |
スズキ | CMをACジャパンの広告に差し替え |
イオン | CMをACジャパンの広告に差し替え |
2025年1月20日の報道によると、50社を超える企業がフジテレビでのCMをACジャパンに差し替えるそうです。
今後もスポンサー離れが続くかも…
【放送】『めざましどようび』番組中のACジャパンCMが12本、前週は0本もhttps://t.co/48xv5qNspr
— ライブドアニュース (@livedoornews) January 18, 2025
同番組は17日にフジテレビ社長が行った会見を取り上げた。会見要旨などが読み上げられたが、出演者らがこのニュースについて言及することはなかった。 pic.twitter.com/CxguTlp0Y6
社長の会見翌日の「めざましどようび」
12本もACジャパンのCMに差し替えされたんだね!
フジテレビCMスポンサー離れの損失はどのくらい?
フジテレビCMスポンサー離れの損失額は数億円になると推測されます。
CMスポンサー離れが加速するなか、フジテレビは一体どのくらいの損害を被ることになるのでしょうか?
下図は、フジテレビのCM料金表です。
ネットタイムCMの場合
ネットタイムCMは、番組ごとに6か月間契約し、予算は4,000万円から3億円です。
例えば、ネットタイムCMを契約していたスポンサーが3社撤退すると、1億2,000万円から9億円の収入がなくなることになります。
ローカルタイムCMの場合
ローカルタイムCMは、首都圏エリアに限って放映されるCMです。
番組ごとに6か月間契約し、予算は1,300万円から4,000万円です。
例えば、ローカルタイムCMを契約していたスポンサーが3社撤退すると、3,900万円から1億2,000円の損失です。
フジテレビCMの差し止めや取りやめでも企業は広告料を払うの?
フジテレビでのCM放映の差し止めや差し替えが続いていますが、フジテレビには広告料が支払われるようです。
時事通信では、広告料の負担について、次のように報道しています。
すでに日本生命保険やトヨタ自動車、NTT東日本なども出稿を見合わせており、大手企業の間で対応が加速している。ただ、放映の差し止めや差し替えは各社が自主判断で行うため、CM出稿費用の負担は必要になるとみられる。
引用:時事通信
自分の会社のCMが放送されなくても、企業は広告費を負担しているみたいだね。
フジテレビはでCMの差し替えや差し止めが相次いでいますが、広告費からの収益は契約が済んでいるものについては、影響が少ない可能性があります。
フジテレビは倒産する?
結論からお伝えすると、フジテレビが倒産する可能性は低いです。
2025年1月20日現在で、フジテレビが倒産するといった報道はありません。
これまで視聴率が振るわない民放テレビ局は数多くありましたが、倒産したことはないようです。
フジテレビの倒産危機については関連記事で詳しくご紹介しています!
今回の騒動で、フジテレビが倒産する可能性が低いことは収益をみるとわかりやすいよ!
フジテレビの収益はどうなっているの?
フジテレビは、テレビ局なのでテレビ番組を制作し放送することが主な収益源ですが、実はいろいろな事業を展開しています!
次の図は、フジテレビの決算資料の抜粋です。
主力のメディア・コンテンツのほかに、都市開発・観光の事業でも602億円の売り上げがあることがわかります。
【都市開発】
レジデンス、オフィス、ホテル等の賃料・稼働率ともに引き続き好調
【観光】
グランビスタホテル&リゾート:増収増益・2年連続、連結子会社化後の上期最高の売上高
・営業利益を更新・ホテル事業がインバウンド等の観光需要を取り込み稼働率、客単価ともに上昇傾向
・「神戸須磨シーワールド」飲食・物販等も好調
多角化経営でリスク分散をしているフジテレビ。
メディア・コンテンツ事業の不振は続きそうでですが、倒産に至る可能性は低いと予想されます。
フジテレビって、観光事業もやってるんだね!
CM撤退したスポンサーが多くてフジテレビはACジャパンばかり!
2025年1月18日には、フジテレビでCMを放送していたスポンサーが多数撤退したことを受けて、多数のCMがACジャパンに差し替えられています。
SNSに投稿された声をいくつかご紹介します。
記憶に新しいところでは、東日本大震災のときに多くの企業がCMを差し控え、テレビをつけてもほぼACジャパンのCMだったことがあります。
「ACジャパンのCMを見ると、東日本大震災を思い出す」という声も多いみたい…
心穏やかではいられない人も多いかもしれないね…
今回のCM差し止め騒動は、フジテレビに限ったことですので、テレビで放映されるすべてのCMが再び「ACジャパン」となる可能性は低いと予想されます。
フジテレビ関係者の意見は?
元フジテレビのアナウンサー長谷川豊氏は、Xに今回の騒動についての思いをつづっています。
現執行部への厳しい言葉とともに、今もフジテレビで頑張る人へのエールを送っているのでご紹介します。
きっとこれがフジテレビに必要だったとは数年後に振り返る事が出来ると信じています。 現場の皆んな。 皆んなは僕みたいに炎上って状態に耐性はない。 それでも間違った方向には進んでいないから。 気をしっかり持って。 「とにかく面白い」番組を作る事。頑張って。
仕方ないんですが、
— 長谷川 豊 (@y___hasegawa) January 18, 2025
日本生命
明治安田生命
トヨタ
が古巣へのCMストップとなりました。
恐らく来週末までには大半のCMが出稿停止、最低でも見合わせとなる事でしょう。
港社長をはじめ現執行部全員は責任を取り早期の退陣。
早急な第三者委員会の設置。…
フジテレビCM撤退差し替えの流れは?
フジテレビCM撤退差し替えを初めに表明したのは、日本生命と明治安田生命でした。
【日本生命 フジ2番組CM差し替えへ】https://t.co/eCFC68uPh7
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 18, 2025
その後、トヨタ自動車もフジテレビでのCMを当面見合わています。
【トヨタなど フジCM当面見合わせ】https://t.co/iTQinIbaCZ
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 18, 2025
日本経済をけん引するトヨタ自動車や、信頼を重要視する日本生命、明治安田生命がフジテレビでのCMを差し控えるのは、大きな決断だね!
今後もこの流れに追随する企業が増えることも予想されます。
どうしてスポンサーはフジテレビCM撤退すると決めたの?
これまで長いあいだ、フジテレビにCMを放映していたスポンサーはなぜ港浩一社長の会見直後に撤退や差し替えを決めたのでしょう。
スポンサーが撤退を決めた理由としては、次のようなことが挙げられます。
社長会見での不十分な説明
2025年1月17日の港浩一社長による会見で、具体的な説明が不足し、「回答を差し控える」という対応が繰り返されたことが、CM撤退差し替えをスポンサーが決断した理由の一つです。
この件は、当事者の女性が事案に関して直接的な発信はされておりません。当社も個人の特定に繋がるような発信は避けるべきだと考えています。具体的かつ詳細の説明には限りがございます。また、当事者間の示談の守秘義務があることから、私たちが把握した内容に限界もあることもご了承ください。
プライバシーの保護や人権を尊重していきたいというのは、事の発端から今現在に至るまで、私どもの変わらぬ思いです。このため、どうかご理解たまわりたくお願い申し上げます。
当事者である女性のプライバシーの保護や人権を尊重をとても重視している姿勢は理解できます。
しかし、そのことを理由として「回答を差し控える」との答弁が続き、具体的なことはわからないまま会見が終了しています。
これにより、視聴者やスポンサー企業からの信頼を得られずに、スポンサー企業がCMの撤退や差し替えを決断する引き金になったと考えられます。
企業の社会的責任
日本生命などの大手企業は、社会的責任や倫理的行動を大変重視していることが、フジテレビでのCM撤退等につながったと考えられます。
特に、日本生命では経団連会長就任予定の筒井義信会長の立場も影響したと見られます。
【経団連 会長に筒井義信氏が内定】https://t.co/JmZg19P9PB
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 14, 2025
日本生命の筒井義信会長は経団連(日本経済団体連合会)の会長に内定しており、2025年5月に正式に就任する予定です。
スポンサー企業のなかでも、日本生命は会長である筒井義信氏が経団連会長就任予定なので、率先して倫理的行動を行っていると示す必要があったと考えられます。
視聴者の意向を重視
スポンサー企業は、視聴者の不満や意向を重視してフジテレビでのCM撤退や差し控えを決定したと思われます。
フジテレビの社長会見では、具体的な説明がなされず、視聴者の不満を解消することはできませんでした。
橋下徹氏が指摘しているように、スポンサー企業は視聴者の意向や感情を代弁する役割を担っていると考えられます。
橋下氏は、定例社長会見から一夜明けた18日、同局のCMにスポンサー企業が続々と取り下げている報道に触れ「スポンサー企業は視聴者の意向、気持ちをある意味、代弁する役割を持っていると思いますので今、フジテレビがやろうとしていることに関しても視聴者の信頼、十分に獲得できていないと思うんです。それが一種のスポンサー企業のCM撤退でシグナルが出ていると思うんです」と背景を解説した。
引用:dメニュー ニュース
このため、スポンサー企業が視聴者の意向や不満を代弁し、フジテレビでのCM撤退や差し替えを早急に決断したと考えられます。
企業イメージの保護
スポンサー企業は、自社のブランドイメージを守るため、フジテレビからのCM撤退や差し替えを迅速に決断しました。
中居正広氏のトラブルやフジテレビ社員の関与疑惑が報じられたことで、企業イメージに悪影響を及ぼすリスクが高まりました。
特に、ネガティブな報道と結び付けられることは、消費者の信頼を損ねる大きな要因となります。
そのため、問題の波及を避けるべく迅速な対応を行ったと考えられます。
また、NTT東日本などの大手企業も、消費者や株主の信頼を損なうリスクを避けるために同様の行動を取りました。
信頼回復策の不十分さ
フジテレビが提案した「第三者調査委員会の設置」だけでは、視聴者やスポンサー企業の信頼を十分に回復することはできず、CM撤退差し替えへつながったと推測されます。
フジテレビは1月17日の社長会見で、新たに「第三者である弁護士を中心とした調査委員会」の立ち上げを報告しました。
新たに「第三者である弁護士を中心とした調査委員会」を発足させ、体制をさらに強化して調査・検証を行うことにしました。専門性、独立性の高い弁護士の方に調査をしていただき、調査結果がまとまりましたら、速やかに公表してまいります。
第三者委員会を立ち上げたものの、今回の社長会見のように具体的な説明や真相の解明ができないようでは、視聴者やスポンサーからの信頼を回復することはできません。
まとめ
フジテレビでは、CMの撤退や差し替えが相次ぎ、広告枠に異変が生じています。
特にACジャパンのCMが目立つ現状は、フジテレビの苦しい立場を象徴しているといえるでしょう。
スポンサー企業が撤退を決めた背景には、社長会見での不十分な説明や企業イメージの保護といった複数の要因が絡んでいます。
一方で、フジテレビが信頼を回復し、再びスポンサーを引きつけるには、透明性のある対応や視聴者の期待に応える改革が必要です。
今回のCM撤退・差し替え問題を教訓に、フジテレビがどのように立ち直っていくのか、今後の動向に注目していきましょう。
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