2025年4月17日に、俳優の板垣瑞生さんの突然の知らせがありました。
早すぎるお別れに、悲しみに打ちひしがれている方も多いでしょう。
この記事では、俳優・板垣瑞生さんの出演作を振り返り、過去のインタビューから板垣さんの素顔を探ります。
ぜひ最後までご覧ください。
板垣瑞生の俳優としての出発点と初期の活躍
板垣瑞生さんは小学5年時に母親と渋谷にいたところをスカウトされ、芸能界入りしました。
整ったルックスで人気を集め、2014年に映画「闇金ウシジマくん Part2」で映画デビューしています。
板垣瑞生くんがウシジマくんに出てると聞いて見てみたらモブキャラだった pic.twitter.com/HU5cIWP056
— は (@sometani6roku2) August 12, 2017
元暴走族総長を演じる中尾明慶さんの取り巻きの一人として初めの映画出演を果たしています!
SNSでは、「モブキャラ」とも言われていますが強い目の輝きはこのころから印象的ですね。
当時のインタビューでは、俳優という仕事への熱意を語っています。
《映画『闇金ウシジマくんPart2』の現場で菅田将暉さんとお話をさせてもらったのは大きかった。俳優の面白さを教えてもらい、大げさかもしれないですけど、この仕事以外に僕が生きていく道はないなって思ったんです》
引用:Yahoo!ニュース
板垣瑞生の主な出演ドラマとその魅力
板垣瑞生さんは、映画だけでなく数々の人気テレビドラマにも出演し、その存在感と演技力で視聴者を魅了してきました。
ここでは、板垣瑞生さんの出演した主なドラマをいくつか取り上げ、それぞれの作品における役柄や演技の魅力、作品の反響などを振り返ります。
「社内マリッジハニー」(2020年)

板垣瑞生さんは、MBSドラマ特区枠で放送された「社内マリッジハニー」で、三浦真夏役を演じました。
板垣さんは主人公の春田あみ(松井愛莉)との即日婚をしたイケメン社員・三浦真夏を好演しました。
クールでどこか掴みどころのない真夏の内面を、繊細な表情の変化や落ち着いた佇まいで表現し、多くの視聴者を惹きつけました。
特に、徐々にあみに心を開いていく過程で見せるふとした優しさや、時折見せる脆さなど、多面的な魅力を引き出し、ラブストーリーでありながらも深みのあるキャラクターを創り上げました。
板垣瑞生さんの持つ独特の透明感と、時折見せる憂いを帯びた表情が、真夏の複雑な感情を見事に体現していました。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(2020年)
歴史大作である「麒麟がくる」では、織田信長の近習・森蘭丸という重要な役どころを演じました。
主君である信長(染谷将太)に寄り添い、その側近として忠義を尽くす蘭丸の、若々しいながらも芯の強さ、そして時折見せる憂いを帯びた表情を繊細に表現しました。
信長との緊迫感のあるやり取りや、他の武将たちとの間で垣間見える人間関係など、限られた出番の中でもその存在感は際立っていました。
凛とした立ち姿や、主君を案じる真摯な眼差しは、多くの視聴者の心に深く刻まれました。
NHK連続テレビ小説「エール」(2020年)
戦後の日本を舞台にしたドラマ「エール」では、放送局の局員・重森 正として出演しました。
放送局で上司である初田(持田さん)と、現場の意見を尊重する池田(北村さん)という二人の間で板挟みになりながらも、番組作りに真摯にまい進する姿を演じました。
板垣瑞生さんの演じる重森は、物語の中で、制作現場のリアルな状況や人間関係を描き出す上で重要な役割を担っていました。
「正直不動産」(2022年)
不動産業界の裏側を描いた人気ドラマ「正直不動産」では、主人公・永瀬財地(山下智久)の後輩社員である十影 健人役を演じました。
イマドキ若手社員ならではのゆるい発言や行動など、主人公の永瀬財地がジェネレーションギャップで悩ませ、物語にリアリティを与えました。
これらのドラマを通して、板垣瑞生さんは、クールな二枚目から、戦国時代の忠臣、放送局で奮闘する若者、そして現代を生きる若者まで、幅広い役柄を演じ分けられる確かな演技力を見せつけました。
それぞれの作品において、役柄の心情を丁寧に捉え、内面から湧き出るような自然な演技は、視聴者の心を強く惹きつけました。
板垣瑞生の主な出演映画とその輝き
板垣瑞生さんは、テレビドラマでの活躍と並行して、数々の映画でも印象的な輝きを放ってきました。
スクリーンで見せる存在感と、役柄に深く寄り添う演技は、多くの観客の心を捉えました。
ここでは、板垣瑞生さんの出演した主な映画作品をいくつか振り返り、その魅力に迫ります。
「初恋ロスタイム」(2019年)
板垣瑞生さんは、本作で主人公の浪人生・相葉孝司を演じ、映画初主演を果たしました。
「ロスタイム」という不思議な現象に巻き込まれた孝司が、同じように時間を止められる少女・篠宮時音(吉柳咲良)と出会い、惹かれ合っていくというファンタジックなラブストーリーです。
板垣瑞生さんは、映画初主演への思いを次のように語っていました。
これまでの出演作で素敵な先輩方の背中をたくさん見てきたので、いざ自分が主演という立場になったときに、どうしたいかを考えることができましたし、自分なりに一生懸命頑張ろうと思いました。
引用:キャリスタ進学
板垣瑞生さんは初主演ながら、戸惑いながらも時音に惹かれていく繊細な感情を、透明感のある佇まいと憂いを帯びた表情で表現し、観客を物語の世界へと引き込みました。
その存在感と瑞々しい演技は高く評価され、新たな魅力を開花させた作品となりました。
主な出演映画とその輝きおり、作品への深い愛情が窺えました。
「胸が鳴るのは君のせい」(2021年)
人気少女コミックを実写化した本作で、板垣さんはヒロイン・篠原つかさ(白石聖さん)に思いを寄せるイケメン・長谷部泰広を演じました。
暗くはなかったんですが、あんな風に「キャーキャー」言われる感じではなく…。普通の学生でしたね。長谷部が僕とまるっきり違う子だったからこそ、「こんな人になれたらいいな」「こんな感じの人がいてもいいんじゃないかな」と思いながら演じていました。
引用:FAST
明るく爽やかなルックスでモテモテながらも、内に秘めた繊細な感情を、さりげない表情の変化や優しい眼差しで表現し、観客の共感を呼びました。
特に、つかさの恋を応援しながらも、自身の秘めた想いを抱える複雑な感情を、抑制の効いた演技で見事に表現しました。
板垣瑞生さんの持つ柔らかな雰囲気と、時折見せる切ない表情が、キャラクターの魅力をより一層引き立てていました。
「ソロモンの偽証 前篇・事件」「ソロモンの偽証 後篇・裁判」(2015年)
板垣さんの俳優としてのキャリアにおいて、初期の重要な作品となったのが、この前後篇にわたるミステリー大作「ソロモンの偽証」です。
板垣瑞生さんは、謎の死を遂げる同級生・柏木卓也の死の真相を突き止めようと立ち上がる神原和彦という、物語の中心人物の一人を演じました。
冷静沈着でありながらも、内に秘めた正義感と強い意志を持つ神原を、鋭い眼差しと抑制の効いた演技で見事に表現しました。
同世代のキャストたちの中で、確かな存在感を放ち、物語の核心に迫る重要な役割を担いました。
この作品での演技は、新人とは思えないほどで多くの観客に鮮烈な印象を与え、その後の活躍への大きな足がかりとなりました。
板垣瑞生さんはこの役で第25回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し、俳優としての地位を確立しました。
また、今後の俳優としてのキャリアについて、次のように語っています。
コメディーに挑戦してみたいです! お芝居で人を笑わすのってセリフだけじゃなくて空気感だったりするので、自分的にコメディーが一番難しいんじゃないかな、と思っていて。自分の壁としてコメディーを乗り越えられたら一皮剥けることができるんじゃないかな、と思っています。いろんなことができる俳優さんになりたいです。
引用:CanCam.jp
この作品での鮮烈なデビューは、板垣瑞生さんの俳優人生における大きなターニングポイントとなりました。
板垣瑞生のインタビューから見える素顔と内面
過去のインタビュー記事を紐解くと、板垣瑞生さんの俳優としての真摯な姿勢や、周囲への温かい配慮、そして多岐にわたる興味関心が見えてきます。
言葉一つひとつからは、誠実さ、真面目さ、そして何よりも人に対する優しさが滲み出ており、その内面的な魅力が多くの人を惹きつけていたことが伺えます。
仕事に対する姿勢
板垣さんは常に仕事に対してストイックでした。
「役を生きる」という言葉を体現するように、出演する作品ごとに徹底的に役柄を掘り下げ、その人物の感情や背景を深く理解しようと努めていました。
インタビューでは、「役と向き合う時間は、自分自身と向き合う時間でもある」と語っており、演技を通して自己成長を追求する真摯な姿勢が伝わってきます。
また、共演者やスタッフへの感謝の言葉も多く、現場でのコミュニケーションを大切にし、常に周囲への配慮を忘れない温かい人柄が窺えます。
「良い作品は、良いチームワークから生まれる」という板垣瑞生さんの言葉からは、協調性を重んじ、周囲と良好な関係を築こうとする真摯な姿勢が感じられます。
俳優以外の仕事も
俳優業以外にも、板垣さんはさまざまなことに興味を持っていました。
音楽が好きで、自身も楽器を演奏したり、かつてはMiLKの一員としてライブを行うこともありました。
また、読書や映画鑑賞も好んでいたと語っており、幅広いジャンルの作品に触れることで、自身の感性を磨き、演技の糧にしていたことが伺えます。
さらに、自然や動物が好きであるという一面も垣間見え、穏やかで優しい心の持ち主であったことが想像されます。
インタビューから垣間見られる板垣瑞生の人柄は?
インタビューを通して語られた板垣瑞生さんの言葉からは、常に感謝の気持ちを持ち、周りの人々を大切にする温かい人柄が伝わってきます。
飾らない言葉で自身の考えを語る姿からは、誠実で真面目な人となりが感じられ、その内面的な魅力が板垣瑞生さんの演技に深みを与え、多くの人々の心を捉えていたのではないでしょうか。
板垣瑞生さんの真摯な姿勢と温かい人柄は、共演者やスタッフだけでなく、ファンにとっても大きな魅力だったに違いありません。
まとめ
改めて、俳優・板垣瑞生さんがその短い生涯の中で残した数々の輝かしい足跡に、深い敬意と感謝の念を抱かずにはいられません。
繊細かつ力強い演技は、ドラマや映画を通して多くの人々の心に感動を与え、忘れられない瞬間を刻みました。
若くして見せてくれたその才能は、計り知れない可能性を秘めており、惜しまれるばかりです。
しかし、板垣瑞生さんの出演した作品たちは、これからも色褪せることなく、多くの人々の心の中で生き続けるでしょう。
スクリーンやテレビの中で、さまざまな人生を生き、私たちに喜びや悲しみ、そして生きるということの尊さを教えてくれました。
これからも視聴者の心を揺さぶり、新たな感動を与え続けるはずです。
板垣瑞生さんのご冥福をお祈り申し上げます。
コメント