「最後の鍵を開けるのはプリシャだ」――VIVANT第23話(11月1日放送)でエリシャが娘プリシャ(ジャミーン)に託した役目は、最終回(11月8日)で核融合データを世に出すことではなく、封じることです。
7年前のエリシャがアディエルに打ち明けた「それは秩序を壊し 混乱を巻き起こすものだ」を聞き返して、父親が娘に何を背負わせたのかがやっとわかりました。
シンシーがデータを手にできない理由と、7年ぶりの父と娘の再会は、最後まで読むと一本の線でつながります。
※ VIVANT第23話(11月1日放送)までの内容と、最終回(第24話)に関する一部ネタバレを含みます。気になって夜も眠れない方はどうぞ読み進めてください。
VIVANT最終回、核融合データの扉を開けたジャミーンはそのまま閉じる

23話でエリシャが乃木に残した言葉は、この一文で締めくくられていました。
「ただし覚えておけ。最後の鍵を開けるのはプリシャだ」
エリシャが指名したのは、データの使い道を最後に決める人です。
最終回、核融合データを開けたジャミーンことプリシャは、データを誰にも渡さず、自分の手で封じます。
シンシーとタイラン、そして乃木が「参戦」を決めた日本でさえ、データは持ち帰れません。
エリシャ本人は核融合データを「秩序を壊すもの」と呼んでいた
7年前、捕らわれていたエリシャは、アディエルにこう頼んでいます。
「これはあのサムライにも絶対に言うな。この子のお尻にディスクが埋めてある。早く取り出して どこかに隠してくれ。それは秩序を壊し 混乱を巻き起こすものだ」
発明した本人が、自分の研究を「混乱を巻き起こすもの」と呼びました。
しかも、娘を救ってくれたベキにさえ黙っておけと口止めしています。
世界を救う発明として売り込むつもりなら、「混乱を巻き起こす」なんて言い方はしないと思いませんか。
エリシャが願っているのは、データが使われることではなく、誰の手にも渡らないことです。
最後の鍵を持つプリシャはデータを閉じることもできる
鍵を開けられる人は、開けないことも選べます。
エリシャがプリシャを「最後の鍵」にしたのは、データの使い道を、最後は娘に決めさせるためです。
お金を払った国でも、データを奪いに来た組織でもなく、7年間ずっと守られてきた子どもに判断を預けました。
23話で「最後の鍵を開けるのはプリシャだ」を聞いたとき、データの開け方より、幼い娘に何を背負わせるのかが気になって、乃木とエリシャの場面を何度も見返しました。
ただ、開け方に目を向けると、まったく逆の結論になります。

【#VIVANT 考察】
ディスクには核融合データがストレートには入ってない可能性が高い
「最後の鍵を開けるプリシャ」言ってたのでジャミーンの声や以前考察したサヴァン症候群の記憶能力が必要なのでは
また「動物的直感力」はブルーウォーカー太田が活躍すると考察
12話の発言で伏線が
#VIVANTep23
声や記憶が鍵になるとしても、その鍵を持っているのはジャミーンひとりです。
ジャミーンが開けたデータを誰にも渡さずに閉じてしまえば、もう誰も中身を見られません。
シンシー・タイラン・日本は誰ひとり核融合データを持ち帰れない

エリシャが乃木に話した「冒険」の条件には、シンシーにはどうしても満たせない一文があります。
「どんなに優秀でも、孤独な者には超えられない」です。
「孤独な者には超えられない」:敵の3人は仲間ではない
23話のラスト、タイラン・リュウ・ハンの3人は、プリシャの傷跡を確かめて喜び合いました。
喜び合う3人の顔に、ぞっとしました。
ただ、同じテーブルでワインを飲んでいたこの3人を、仲間と呼べるでしょうか。
- タイランは、乃木をシンシーに売ったほうが金になると、取引相手をあっさり替えた
- リュウは「この情報を手にするのはわがシンシーだけ」と言いながら、裏では野崎を逃がす芝居を打っている
- ハンは、そのリュウの芝居に気づいていない
一方の乃木には、Fも黒須もいて、最終回ではノコルも加わります。
エリシャの言う「苦境を共にしてくれる仲間」を持っているのは、乃木の側だけです。
乃木・F・ノコルの3人がシンシーと決着をつける流れは、ノコルが捕まった乃木を救い出す最終回の記事に書きました。
タイラン・リュウ・ハンがそれぞれどうなるかは、VIVANT最終回で死亡する3人の記事で名前を挙げています。
「孤独な者には超えられない」は、エリシャが乃木に小声で伝えた長い言葉の一部です。
「これからとてつもない冒険が始まる。
データを手にするにはまずは動物的直感力が必要だ。
そして人類の持つ知力 精神力 全ての力が試される。
どんなに優秀でも孤独な者には超えられない。
苦境を共にしてくれる仲間が必要となる。
その時間との戦いに勝利した時 真実の扉が開かれる。
ただし覚えておけ。
最後の鍵を開けるのはプリシャだ。」
仲間がそろって条件を満たしても、最後にデータをどうするかを決めるのはプリシャひとりです。
乃木が決めた日本の「参戦」はエリシャに会うための入り口だった
乃木は23話で核融合への日本の参戦を決め、櫻井に金を用意させました。
ところがその金は、振り込んだ数字だけを残し、中身はブルーウォーカーが奪い返しています。
本気でデータを買うつもりなら、こんな手は使いません。
参戦は、タイランの屋敷に入り、エリシャに会うための入り口でした。
だから最終回の乃木は、データを日本に持ち帰りません。
国のために動いてきた別班の乃木が、最後に日本の取り分を手放す――ここが最終回でいちばん意外な場面になります。
データを封じたジャミーンは7年ぶりに父エリシャと再会する
7年前、エリシャはベキにプリシャを託すとき、こう言い残しています。
「娘の名前はプリシャ だがこの名前は決して人に言うな 別人として育ててくれ」
「この子と私が再び会ったとき 世界は混乱に陥る」
「再び会ったとき世界は混乱に陥る」はデータを封じれば起きない
父と娘がそろうと世界が混乱するのは、データを作った父と、最後の鍵の娘がそろえば、データが開いてしまうからです。
裏を返せば、データが封じられたあとなら、2人が会っても世界は何も変わりません。
最終回、プリシャがデータを封じたあとで、父と娘は7年ぶりに顔を合わせます。
予告の新しい映像には、乃木がエリシャの手を握る場面がありました。
23話で乃木が約束した「あなたのことも必ず解放します」は、エリシャの手を握るこの場面で果たされます。
23話で、名前すら呼べなかった娘の画像に涙を流すエリシャを見返して、7年分の我慢の重さが伝わってきました。
その父親が、最終回でやっと娘の手に触れます。
「お前は希望の子」:ジャミーンは薫と乃木のもとへ帰る
エリシャは、娘への3つの言葉を、1つずつ別の国の言葉で乃木に託しました。
| 言葉 | 伝言 |
|---|---|
| ヘブライ語 | お前は希望の子 |
| 英語 | 祝福の中を歩め |
| トルコ語 | いつまでも |
3つを並べてみてください。データの話はひとつもありません。
父が娘に伝えたかったのは、データを開ける合言葉ではなく、これからの生き方です。
祝福の中を歩む場所は、エリシャのそばではありません。
23話で薫は乃木に「ジャミーンと帰りを待ってます」と送っています。
再会のあと、プリシャは父のもとには残らず、ジャミーンとして薫と乃木のもとへ帰ります。
「名前を人に言うな」と頼んだ父は、娘がプリシャではなくジャミーンとして生きる道を、最後に自分の目で見届けるわけです。
ベキがジャミーンだけを助けた理由は、ベキがジャミーンだけ助けたのは方舟に乗せる子だからという記事で書いています。
23話までの人物の関係は、VIVANT続編の相関図で確認できます。
ジャミーンが鍵を開けるまでのあいだに、ほかの人たちにも決着がつきます。
撃たれた野崎を運び出すのは、16話で死んだと語られたチョウケイシ。
戻ってきた周浩然は、野崎の死を確かめに来てリュウの芝居を見破ります。
捕まった乃木を救い出すのはノコルで、最終回で命を落とすのはリュウ・ハン・タイランの3人です。
核融合のデータがどこにあるかより、プリシャがデータをどうするか。
「希望の子」が最後の鍵を回すのは、11月8日の夜です。

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